ポイントは6つあります。
養育費って誰が払うの?
民法766条は、子の監護について必要な事項を定めています。
養育費請求権は、子を監護する親が他方の親に対して、養育費(監護費用)を請求できる権利です。
例えば、元妻が子どもを手元において育てている場合は、元夫に養育費を請求することができます。
1.養育費っていくらくらいもらえるの?
養育費は、おふたりのご合意があればいくらでもかまいません。
でも、基準となる相場って、気になりますよね。
養育費の相場を知りたい!ということであれば、東京家庭裁判所の養育費算定表を参考にしましょう。
この算定表が発表される以前は、さまざまな証拠によって、個別具体的に考え、実際の額を認定しなければならないことが多かったため、裁判所で養育費の額を決めてもらうことが長期化する傾向にありました。
このような流れの中、2003年4月に「東京・大阪養育費等研究会」(裁判官を中心とした人たち)が、養育費の算定表を発表して、現在の家庭裁判所の実務では、それが使われています。
2.養育費っていつまでもらえるの?
離婚協議書や離婚公正証書を作成する際は、始期(いつから)終期(いつまで)を明確にする必要があります。
終期につきましては、昨年(2017年)、弊事務所へ離婚公正証書の作成をご依頼なさった方の割合ですと、大学卒業までで合意なさる方が80パーセント、20歳まで合意なさる方が15パーセント、残り5%は、18歳までで合意なさった方と大学院卒業までで合意なさった方を合わせた数字です。
年々、大学卒業までで合意なさる方が増えています。
離婚公正証書に大学卒業までと記載する場合は、浪人したときどうするか?留年したときどうするか?ということも考え、文言等を工夫して原案を作成しています。
3.いったん決まった養育費は変わらないの?
事情変更とは
養育費の支払い合意は、月払いであったとしても、かなり先までの養育費を現時点において定めているわけですから、父母の再婚、再婚に伴う養子縁組、父母の失業、その他「事情変更」があった場合は、相手方が家庭裁判所に調停あるいは審判の申立てをして、養育費の増減が認められる場合があります。
養育費は、いったん決めても変わってしまう可能性があるということです。
しかし、この増減は、簡単に認められるわけではありません。
離婚時に養育費について、合意の上、離婚公正証書を作成したのであれば、「その後」に「事情の変更」があること必要です。
単に支払いが苦しいからなどの理由で、「事情の変更」もなく、減額して欲しいというのは、認められないとお考えください。
事情変更によって養育費が減額されるリスクを少なくするよう、離婚公正証書にする際には、必要な文言等追加し、文言を工夫して原案を作成します。
4.連帯保証人をつけることはできるの
夫が支払う側だとしたら、夫の親御様(義父・義母)に連帯保証人となってもらうことは可能ですし、実際に業務としてお受けしたこともあります。
もちろん、育費を支払う側の夫と連帯保証人である(義父等)がふたりともが同意をしていることが必要です。
ただし、公証役場としては、連帯保証人をつけることに非常に消極的です。なぜなら、養育費に連帯保証人をつけるのは、問題が多いからです。
たとえば、夫の失業などで、収入が激減した場合、前の項目でご説明いた「事情変更」によって養育費は減額されることがあります。
この場合、連帯保証人に対して、減額分についても請求できるの?といったような問題が生じることになります。
そのため、大学卒業ってことは
5.養育費を請求しない取り決めはできるの
おふたりの話し合いで、離婚後に養育費を支払わない取り決めをする場合があります。
このような養育費不請求の合意は、離婚公正証書に記載できるのでしょうか。
養育費不請求の合意離婚公正証書で記載することは可能です。ただし、公証役場としては、養育費不請求の合意はを記載することには非常に消極的です。
なぜなら、おふたりで合意したとしても、「事情変更」があった場合どうするかにについて考える必要があるからです。
また、おふたりで合意したとしても扶養権利者である子どもから請求できると考えられます。
そのため、私が離養育費不請求の合意を離婚公正証書ににする場合はは、必要な文言等を追加し、工夫して原案を作成します。
もっとくわしく:養育費不請求の合意
6.養育費は強制執行できるの
強制執行認諾条項付きの離婚公正証書で作成した養育費の支払が滞った場合には、支払い義務者である夫の給料や預貯金等に強制執行することが可能です。
夫が会社員や公務員などの場合は、給与の差押えを行うことも可能です。
養育費の差し押さえは特別です
通常の強制執行では、支払う側の生活もあるので、借金など、一般の債権の差し押さえの場合には、給与の4分の1までしか差押えできません。
しかし、養育費の場合は、給与の半分まで差押えできますので、養育費は手厚く保護されています。
また、一般の債権は、支払いが滞るたびに強制執行しなければならないのですが、養育費の場合は、1回強制執行をしてしまえば、毎月給与から天引きして支払われるようになります。つまり、1回の差し押さえで将来分まで継続して差押えをすることができます。
養育費は必ず公正証書にしましょう
養育費の不払いを防ぐために、必ず、離婚公正証書にすることをおすすめします。作成した内容や記載方法が適切かどうかは当然のことですが、離婚後に養育費の不払いがあった場合に備えて、専門家に依頼するのがおすすめです。
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