パソコンの前でボールペンを持つ人

離婚公正証書と離婚協議書3つの違い

離婚公正証書と離婚協議書って何が違うのでしょう?簡単だからといって、自己流の離婚協議書を作ってしまったら逆効果です。なぜ、専門家に作成してもらう必要があるのか。行政書士が、やさしく、ご説明致します。
ポイントは3つあります。

離婚公正証書と離婚協議書はどう違うの?

離婚協議書とは

離婚協議書とは、離婚するとき、または、離婚した後の約束を書面にしたものです。当事者同士で自由に作ることができます。

夫)養育費月に〇万円払うよー
妻)了解!ちゃんと毎月月末に払ってねー

こんなお互いの約束、決めたことを書面にするわけです。

表題(タイトル)も自由で、合意書などとすることも可能です。

記載する内容も、後からご説明する離婚公正証書よりも、比較的自由に作成できます。口約束だけですと、「言った・言わない」で、後々問題になることが多く、取り決めた約束の内容について記載し、当事者同士もキチンと合意したことを書面に残すことで、後々の争いを防ぐ目的で作成されます。

質問者
自分で自由に作っていいなら、それが一番楽かも

後々の争いのを防ぐ目的で作るわけですから、作成した離婚協議書の内容や記載方法が適切かとうか、行政書士や弁護士等、専門家のチェックを受けたり、最初から専門家に依頼するのがおすすめです。
行政書士

離婚公正証書とは

離婚公正証書とは、法務大臣から任命された公証人が作成する公的な合意書です。

先に離婚協議書等を作成し、それを公証役場で公証人によって、公正証書にしてもらう。というのが実務的な流れです。

1.一番の違い!裁判をしなくても強制執行できるか、できないか

離婚協議書と離婚公正証書の一番の違いは、金銭等の支払に関して、支払う側(債務者といいます)が離婚公正証書作成時に強制執行(預貯金や給料を差し押さえること)に服することを認めるもの(強制執行認諾といいます)には、裁判なしで強制執行が可能というところです。

つまり、離婚公正証書だから全部強制執行できるわけではなく、強制執行するには、強制執行認諾条項付きの公正証書であることが必要です。

質問者
夫が養育費を支払う側(債務者)だったら、夫が強制執行OK!じゃないとダメってこと?
そうですね。でも、離婚公正証書を作ることをOKしてくれる夫なら、強制執行についても、ほぼ了解してくれるので、そんなに心配しなくても大丈夫です。
行政書士

ちなみに、私が金銭の支払いに関する離婚公正証書の原案を作成する際は、100%強制執行認諾条項を付けます。強制執行認諾条項のない公正証書は、実効性に疑問があるため、公正証書にする必要性がいちじるしく低くなります。

離婚協議書だった場合は、金銭の支払いを求めて裁判を起こす→ 裁判に勝つ→ やっと強制執行

強制執行認諾条項付きの「離婚公正証書」(長いですね…)なら金銭の支払いがされなくなった場合、裁判をせずに強制執行が可能です。

 

2.高い証明力があるか、ないか

離婚協議書も離婚公正証書も後々もめないようにするという同じ理由で作成するのですが、いざ、もめてしまったときに大きな違いがでます。

離婚公正証書は、法務大臣が任命し、法律の専門家である公証人が法律のプロである公証人が、ご夫婦おふたりがご本人かどうかを印鑑証明書などで確認し、記載内容についても、法令に違反する記載がないかを確認し、作成しているので、高い証明力があります。

一方、離婚協議書は、債務者(支払う側)から、内容についてはもちろん、作成自体を否認される可能性かあります。

質問者
作成自体を否認ってどういうこと
悲しい話ですが、『そもそも離婚協議書なんて作ったおぼ えないよ!』『勝手にハンコ押されたんだよ』などと主張される方も多いんです。そうなると、とても面倒なことになります。
行政書士

 

3.偽造・盗難の心配があるか、ないか

離婚公正証書は、原本・正本・謄本の3種類が作成され、公証役場に原本が20年保管され、原則として、公証役場から外への持ち出しが禁じられています。そのため、紛失・偽装・盗難などの心配が少なく、離婚協議書より安心です。

質問者
原本・正本・謄本ってなんですか?
原本→ 公証役場で保管されるものです。

正本→ 強制執行をする可能性のある原本の写しです。そのため、金銭の支払いを受ける側に交付されます。

謄本→ 強制執行をする可能性のない写しです。原本の写しです。そのため、金銭の支払いをする側に交付されます。

行政書士

なお、上記のの他に「抄本」も交付される場合があります。抄本は、原本の「一部」の写しです。主に年金分割用に交付されます。

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それぞれ目的に合った書類を作成しましょう

離婚協議書や離婚公正証書は、離婚後の面倒な手続きや後々の争いのを防ぐ目的で作成するわけですから、作成した内容や記載方法が適切かとうかだけではなく、後々のことを考えて、専門家に依頼するのがおすすめです。

 

投稿日:2018年4月13日 更新日:

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