千金手帳と1万円札

離婚と年金分割

年金分割のための情報通知書

投稿日:2018年5月7日 更新日:

離婚公正証書に年金分割について記載する際は、「離婚による年金分割のための情報通知書」(長いですね‥以下「年金分割情報通知書」に省略します。)が必要です。

年金分割情報通知書は、なぜ必要なのでしょうか?どこで取得できるのでしょうか?その仕組みを理解してから、離婚公正証書を作成した方が、より安心です。

年金分割情報通知書について、東京港区の行政書士が、やさしく、くわしく、ご説明致します。
ポイントは2つあります。

離婚による年金分割のための情報通知書

質問者
情報通知書はどこで取得できるの?
年金事務所です。
行政書士

1.年金分割情報通知書は、なぜ必要なの?

離婚公正証書を作成の際、年金分割についても記載する場合は、なぜ、年金分割情報通知書が必要なのでしょうか?

年金分割情報通知書には、

・年金分割をする側、してもらう側が記載されている。

・年金分割できる下限が記載されている。

からです。

年金分割には、年金を分ける側と分けてもらう側がいます。

年金を分ける側を第1号改定者といい、分けてもらう側を第2号改定者といいます。

年金分割は、婚姻期間中の標準報酬額が多い人が、少ない人に対して標準報酬額の分割を行うことになります。

通常は、夫が第1号改定者の場合が多いですが、妻が第1号改定者の場合もあります。

あなたの年金が増える場合は、第1号改定者が「夫」であり、第2号改定者が「あなた」のケースです。

あなたが第1号改定者なら年金が減る側なので、年金分割はしない方が得になります

年金の分割割合は、0.5を上限として、おふたりで自由に決めることができます。

正式には「分割割合」のことを「按分割合」といいます。

0.5って見ると少なそうですが50%のことです。

ご夫婦おふたりの年金を足して2で割るイメージを持ってください。

【分割

 夫75%  妻25%

【分割

 夫50%  妻50%

分割割合には、上限と下限がある

質問者
夫は、たくさん年金分割してくれるといっているけど、50%しか分割できないの?
夫が妻の将来を心配して、たくさん年金分割してあげたいと願っても、50%が上限です。もちろん、離婚公正証書にも記載できません。
行政書士

また、情報通知書には、下限が記載されています。

例えば、上の表で分割前の妻は、すでに25%ありますから、もし、20%で合意したら、逆に減ってしまうことになりますので、そのような年金分割できません。

つまり、

・上限は、みんな50%

・下限は、人によって異なる。情報通知書に記載されている

ということです。

公証人は、

・おふたりのどちらが、年金を分ける側(第1号改定者)・分けてもらう側(第2号改定者)なのか

・上限・下限を超えて合意していないか

・基礎年金番号に誤りがないか

を年金分割情報通知書や年金手帳で確認して、離婚公正証書を作成します。

2.情報通知書はどうやって申請するの

年金分割に必要な情報通知書請求申請は、年金事務所で行います。

ご夫婦おふたりでもでも請求できますし、あなたおひとりでも請求できます

婚姻中にあなたが請求した場合は、請求した方にだけ交付されますので、婚姻中(結婚中)は、相手方(例えば夫)に内緒で申請して、交付を受けることができます

通常は、自宅に郵送されますが、郵送されることが不安なら、年金事務所の窓口で受け取ることも可能です。

ただし、離婚後は、おひとりで請求したとしても、相手方にも届きますので、ご注意ください。

 

情報通知書の必要書類はなに?

年金分割情報通知書の申請に必要な書類は下記の通りです。

情報提供の請求手続には、「年金分割のための情報提供請求書」と次の書類が必要となります。

請求者本人の国民年金手帳、年金手帳または基礎年金番号通知書

婚姻期間等を明らかにすることができる市町村長の証明書または戸籍の謄本若しくは抄本

事実婚関係にある期間に係る情報提供を請求する場合は、世帯全員の住民票の写し等(※)の事実婚関係を明らかにすることができる書類(詳しくは、お近くの年金事務所にお問い合わせください。)

引用元:日本年金機構

くわしく解説しますと

・「年金分割のための情報提供請求書」(請求用紙は、年金事務所にあります。日本年金機構のサイトからからダウンロードも可能です)。

・「あなたの年金手帳または基礎年金番号通知書」(自分で用意します。紛失した場合は、年金手帳の再発行も可能です)。

・「婚姻期間などを明らかにできる書類」(戸籍謄本などを自分で用意します)。

事実婚関係(法律婚をしていない男女)にある期間の情報通知書を請求する場合は、その事実を明らかにできる書類(住民票など)が必要です。

 

いつ申請したらいいの?

年金事務所によって異なりますが、弊事務所にご依頼いただいた方で一番多かったパターンは、

「請求から交付されるまで、2週間程度と案内され、1週間程度で交付される」でした。

最短の方は2日、最長の方は16日でした。

離婚公正証書の作成をお急ぎであれば、お早目にご請求ください。

年金分割は、離婚公正証書にしましょう

離婚に際して、年金分割をする際は、必ず、離婚公正証書にすることをおすすめします。

作成した内容や記載方法が適切かどうかは当然のことですが、離婚後のトラブルに備えて、専門家に依頼しましょう。

離婚公正証書や年金分割について決めていく中で、わからないことや、不安に感じることなど、いちいち立ち止まって悩んでいると、ドンドン時間がかかってしまい、なかなか離婚までたどり着けない方も多いようです。

初めて年金分割をなさる方が大半ですから、年金分割や離婚公正証書について、わからないこと、疑問に感じることがたくさん出てくるのは当然のことです。

年金分割について、用語について、また、決め方ひとつについて、ネットで調べて、本当かどうか確認するという道のりでは、あなたの早めの再出発にとってマイナスです。

専門家に相談して、手厚いサポートを受ければ、わからないことに悩んで、いちいち立ち止まることもなく、回り道をすることもなく、安心した状態で離婚公正証書の作成が完了するため、専門家のサポートをおすすめいたします。

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